基本テクニック
ゼラチンを使いこなす
ゼラチンの主成分はタンパク質です。動物の骨や皮、腱などに含まれる不溶性タンパク質のコラーゲンを、水とともに加熱分解して水溶性に変えたものです。植物由来の寒天などとは扱い方が違うので、使用するときには注意しなければいけません。
ゼラチンを使う上で注意すべきことを、いくつかご紹介します。
1. ふやかす
まずゼラチンは使う前に水に浸して、よく吸水させる必要があります。市販のゼラチンには「板ゼラチン」と「粉ゼラチン」の2種類がありますので、それぞれの方法で行ってください。
・板ゼラチンはたっぷりの冷水に約20分ほど漬けておきます。
・粉ゼラチンは倍ぐらいの水に振り入れて軽くかき混ぜ、5分ぐらいおきます。このとき、必ず水の中にゼラチンを入れるようにしてください。ゼラチンに水をかけると、ムラになってしまうので、注意してください。
2. 溶かす
ゼラチンは温度を上げると水に溶けますが、溶かす温度に注意。ゼラチンはたんぱく質で出来ているため、熱に弱く熱すぎるとタンパク質が変質して固まりにくくなります。50~60℃ぐらいが最適の温度なので、弱火か湯せんで溶かし、溶けたらすぐに火からおろすようにしましょう。
また、パイナップル、パパイア、キウイフルーツ、イチジクなどは、タンパク質分解酵素を含むため、生のままでいっしょに使うと、ゼラチンが分解されて固まらなくなります。そのためゼリーなどでこれらの果物を使う場合は、加熱して酵素の働きをとめるか、缶詰を使うようにしてください。ゼラチン溶液は、濃度にもよりますが、固めるためには10℃以下の低温に数時間置いておく必要があります。長く冷やすほど、しっかりと固まるので、ゼリーを作る場合は長めに冷蔵庫に入れるようにします。なお寒天と違って夏は常温でも溶け出すので、冷蔵が必要です。