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お菓子をこよなく愛するアナウンサーの渡辺真理さんが、商品開発担当者から、ブランドストーリーを聞き出し、商品の魅力を余すことなく伝えるこの対談も最終回を迎えました。最後を飾るのは、スティックチョコ「トッポ」です。26年前、“中空のプレッツェルにチョコレートを最後までたっぷり入れる”新技術でチョコレート市場を沸かせたトッポは、その後、唯一無二の存在としてファン層を広げてきました。平成生まれ平成育ちのブランドは、令和の時代にどう飛躍を遂げるのか、その試みに迫ります。

画期的な商品が誕生するまで

渡辺真理さん 渡辺
最近のトッポ、攻めていらっしゃいますね(笑)。商品展開がこれまでとは少し違う気がします。
森さん
これまではフレーバーを中心とした展開でしたが、昨年の25周年では定番品の改良を行ったり、今年はカルビー様と共同のプロジェクトをスタートさせたりと、“遊んでいる”自覚はあります。
渡辺
「遊んでいる」、素敵な言葉ですね。ご担当者が楽しみながら、「今度のトッポはどう? 楽しいでしょ?」と、消費者に投げかけていらっしゃるようにも感じます。
森
トッポブランドにとって“楽しさ”は重要な要素ですので、私自身も楽しみながら、新たなチャレンジをしたいと思って取り組んでいます。
焼き菓子企画課でトッポを担当している森泰文
渡辺
森さんはトッポのご担当になってどのくらい経ちますか?
森
2年半ほどでしょうか。以前は5年、10年と担当するベテランもいますので、私はまだまだです。
渡辺
ということは、森さんも、5年、10年、トッポを担当される可能性もあるのですね。
森
結果を出せれば、だと思いますが(笑)。
渡辺
トッポが誕生したのは、今から26年前、平成6年(1994年)ですね。細長い筒状のプレッツェルの中にチョコレートが詰まったトッポが発売されたとき、「お、いよいよ!」とわくわくしながら食べた記憶があります。このエポックメイキングな商品はどのような経緯で誕生したのでしょうか。
森
開発を始めたのはバブル崩壊のころで、チョコレートの市場が低迷していた時代。新しい商品を出して市場を盛り上げたいとの思いで、お客様のニーズを徹底的に調査していく中でアイデアは生まれました。細長い筒状のプレッツェルにチョコレートを流し込む技術は、普通なら諦めてしまうような高いレベルのものでしたので、完成までに数年を要したようです。
渡辺
トッポの開発についての資料を拝読して菓子愛好者として共感したのですが、スティックタイプのチョコレート菓子って、端までチョコレートが付いていないので最後まで楽しめないのが残念。でも、その物足りなさを補うため端までチョコレートがあると、手についてしまう。そんなジレンマを、プレッツェルの中に、端から端までチョコレートをたっぷり入れる形でクリアしたのがトッポという商品。画期的だったと思います。森さんは、ご担当になってからトッポの歴史を詳しく学ばれたのですか?
森
担当になることが決まった時はもちろんなのですが、それ以降も仕事の壁を感じたり、行き詰まったりしたときですね。当時に思いをはせ、「なぜこのブランドは始まったのか」と、原点に立ち戻る作業を行うと、腑(ふ)に落ちるポイントと言いますか、ヒントが見つかります。
渡辺
これまで、どんな壁や障害があったのでしょうか?
森
トッポの場合、「プレッツェルの中にチョコレートが入っている」という品質なので、新しい商品が難しいんです。新しさばかりを考えているとトッポらしくなくなるんです。そんなとき、効果的なのが、“最後までチョコたっぷり”“一口目から最後まで同じおいしさが味わえる”“手にチョコが付くことなく食べられる”といった、トッポが持つ本質的な価値を見直すこと。新しいものを生み出すために、本質がブレてしまうのは本末転倒です。言い方を変えれば、ブレなかったからこそ、25年間愛されてきた。それを改めて認識することで、進むべき道もおのずと見えてきます。
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