ロッテ台湾
中元節専用「コアラのマーチ」って何?!
今回は、台北に事務所を構えるロッテ台湾の活動を紹介します。2005年に設立されたロッテ台湾では、日本で製造された商品だけでなく、タイからは「コアラのマーチ」や「トッポ」、ベトナムからは「キシリトール」、韓国からは「チョコパイ」「カスタード」「ペペロ」など、各国からロッテブランドを輸入して販売を行い、台湾の消費者へロッテのお菓子を届けています。
その中でも、タイで製造される「コアラのマーチ」は全体売上の約3割を占める重要なブランドです。長年販売してきましたが、世代を問わず認知率、購入率ともに高いことが特徴です。そして、もっとお客様から愛されるブランドを目指して、日々、「コアラのマーチ」が持つかわいらしさ、楽しさの提案に力を注いでいます。
台湾の市場は、近代流通(モダントレード)が8割、伝統流通(トラディショナルトレード)が2割という構成です。近代流通にあたるコンビニやスーパーマーケット、ハイパーマーケットが大半を占めており、日本に近い市場といえますが、台湾は中華圏にあるため、言語、文化、価値観の違いはあります。日々日本で培ったノウハウを現地にカスタマイズしながら、マーケティング施策や季節催事に沿った商品展開を行い、他社との差別化を図っています。毎年4月は「コアラウィーク」と称し、大々的に「コアラのマーチ」のキャンペーンを展開。特にハイパーマーケットでの展開は圧巻で、手に取ってもらえるよう創意工夫をしています。
また、台湾には年に2回、「中元節」と「旧正月」と呼ばれる大きな伝統行事があり、7月から、8月の「中元節」に向けた準備が始まります。台湾の旧暦7月(現在の8月)は「鬼月」と呼ばれています(鬼は中国語で幽霊や霊魂を指す)。人々は1カ月間、あの世に閉じ込められた霊魂がこの世に戻ってくると信仰し、鬼月の間は平安を願う気持ちから、僧侶や道士を呼んでお祓いをしたり、自宅前にお供え物を並べたりして霊魂や先祖の霊を祭ります。現代ではそのお供え物をお菓子や缶詰などで代用することもあり、この時期に向けて専用商品を開発するほか、店頭での商品の陳列に工夫を凝らす取り組みを行っています。
このように、日本に近いといえど古くからの慣習や文化持ち、東南アジアとも異なる品ぞろえや需要がある台湾は、独自の変化を遂げています。これからもニーズにあった商品の提案や、販促活動に重点を置き、ロッテブランドの拡大を目指していきたいと思います。
2020-07-28
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