ミントの加工方法から見直した「グリーンガム」「クールミントガム」
ロッテを代表するロングセラーのミントガム「グリーンガム」「クールミントガム」。消費者の嗜好(しこう)の変化にあわせて、商品開発や品質の改良を絶えず続けています。「探検 お菓子の原材料」では、今年4月に6年ぶりのリニューアルをおこなって話題の「グリーンガム」「クールミントガム」を紹介します。ミントの葉の蒸留方法を見直し、よりおいしく進化しました。
ミントの品質への徹底的なこだわりとは
ロッテのミントガムは通常、それぞれのブランドが目指す香りや味の世界観に合わせて、ペパーミント、スペアミント、和種ハッカ(から抽出するメントール)を組み合わせて使用しています。
リニューアルした「グリーンガム」「クールミントガム」の特長は、ミントのブレンドの仕方の変更、ガム表面のミントフレーバーパウダーの改良に加え、使用するミントの蒸留方法を変えて、より精製度の高いミント(ミント精油=ミントオイル)も使用したことです。
ペパーミントの華やかな香りが感じられる「グリーンガム」。以前から、香料の元となるミントオイルは、水蒸気蒸留によってミントの葉から抽出されたオイルを、再度蒸留(「水蒸気蒸留」と「分子蒸留」の2つの蒸留方法を用いる)して精製したものを使用しています。
今回のリニューアルでは、ミントオイルの雑味となる部分をできるだけ取り除きたいという考えから、再度蒸留することで得ている洗練したミントオイルを多用したことが特長です。これまで以上に、精製度を高めたオイルを多く使うことで、ミントのみずみずしい味わいをより楽しめる品質に仕上げました。
ちなみに、「グリーンガム」はこれまでも、雑味が少なく、フレッシュでバランスの良い香りが特徴の「初摘みミント」だけを(ミントオイルとして)使用するなど、原材料にこだわっています。
参考記事:古くから親しまれる「ミント」の秘密
一方、ひんやりとしたスッキリ感が魅力の「クールミントガム」。リニューアルにあたって「クールミントガム」では、蒸留器内の気圧を下げて蒸留する「減圧蒸留」という手法を取り入れ、ミントオイルを抽出しています。減圧蒸留は、焼酎など蒸留酒の製造でも用いられる技術です。
水蒸気蒸留が香り豊かなオイルを抽出できるのに対して、減圧蒸留はそれよりもクリアで、すっきりした香りのオイルを引き出すことができます。そのため、新しくなった「クールミントガム」は、甘さを抑えて、よりすっきりとした、さわやかな味わいが実現したのです。
ミントを感じられる板ガムならではの工夫
ところで、「グリーンガム」「クールミントガム」の外側は、細かな粉末――フレーバーパウダーが覆っています。
「グリーンガム」にはミントフレーバーパウダーを、「クールミントガム」にはひんやりと感じるメントールのパウダーを、それぞれ配合しています。リニューアルに伴い、いずれのパウダーもよりおいしくなりました。そして、噛み始めからミントの味わいを感じられるのは、このパウダーに秘密が隠されています。
実は、フレーバーパウダーは、粒ガムにはなく、板ガムならではの工夫です。ロッテ中央研究所・海老原京太によると、粒ガムでは、糖衣と呼ばれる表面をコーティングした部分にも香りづけをしています。糖衣は薄いキャンディのようなもので、すぐに溶けるのでミントが感じられやすいのです。これに対して、形状が異なる板ガムの場合は、表面にパウダーを配合することで、一口目からミントを感じられるような商品設計にしています。
余談ですが、「グリーンガム」をよく見ると、黒っぽい粒があります。実はこれ、食用の「乾燥ペパーミント」とのこと。「グリーンガム」のフレーバーにアクセントをつけています。
「気持ちを前向きにしたい、気持ちのリフレッシュを提供したい――そんな思いをもって取り組んだ今回のリニューアル。いま、なかなか気持ちが晴れないような世の中の状況があるので、ぜひミントガムを食べて、リフレッシュしてほしいなと思います」(海老原)
2021-08-17
の こだわり
マスクの中の「におい」対策ガムって何?!
ふだんの生活でマスクが欠かせないいま、マスクの中にこもった「におい」が気になることはありませんか?
そんなニューノーマル時代の消費者ニーズに着目して、ロッテではマスクの中の「におい」対策のガム「ACUO FOR MASK」を販売しています。ジャスミンの香りがポイントです。
このユニークなガムは、口の中や息だけでなく、「マスクの中の空間」に着目して開発されました。不快な香りを取り込んで調和させる「ハーモナージュ技術」をロッテでは初めて活用しています。
マスクの中の「におい」を、ガムの香りが取り込む仕組み
一般的に、不快なにおいを軽減させるには、別の香りで覆い隠す「マスキング技術」が使われます。しかし、マスキング技術で完全に不快なにおいを覆い隠そうとすると、別の香り自体が強くなるため、ガムの場合は食べづらい、といった課題がありました。
これに対して、「ACUO FOR MASK」では、不快な香りを取り込んで調和させるハーモナージュ技術を活用しました。これは、マスクの中の「におい」を、ガムの香りが取り込むことで、ジャスミンの香りに調和させる仕組みです。そうすることで、ガムが口の中や息だけでなく、マスクの中の空間の香りをよくする、というわけです。
「マスクをしたまま、ミント系のガムを噛んでいると、吐く息でミントのメントール成分が目にあたることはありませんか? 『ACUO FOR MASK』は、刺激をおさえられるように工夫しているのもポイントです」(中央研究所・海老原京太)
マスクの中のにおいによる不快感対策に、「ACUO FOR MASK」はいかがでしょうか。