“手づくり”に夢中なユカイファミリーロックシンガー ダイアモンド✡ユカイ
俺がスイーツにハマったのは、妻が長女を妊娠したとき。きっかけは断酒でした。安産の願掛けのつもりで酒をやめたら、身体が糖分を欲したのか、そのときたまたま口にしたショートケーキがめちゃくちゃおいしく感じられ、ショートケーキの虜(とりこ)に。その後、チョコレート、メロンパン、マカロン、和菓子と、ハマったスイーツは数知れず。今ではスイーツ探求に精を出す毎日です。
思い起こせば、幼い頃もお菓子が大好きでした。とくに駄菓子。共働き家庭で一人っ子の俺は“鍵っ子”。少し多めのお小遣いをもらっていた俺は、毎日のように友だちを引きつれて近所の駄菓子屋へ通ったものです。店のありとあらゆる駄菓子を食べつくし、友だちにはおごり三昧。今思うと、一人で過ごすのが寂しくて、家へ帰ろうとする友だちを引き留めるための“お菓子奉行”だったのかもしれません。
涙のバナナブレッド
駄菓子に夢中だった頃の話です。
ある日、近所に住む子分にしていた年下の男の子が、お母さんが作った「バナナブレッド」なるおやつを、一口分けてくれました。手づくりのおやつなんて初体験。甘~いバナナの香りが口いっぱいに広がり、「こんなおいしいおやつをお母さんが作るのか!」と衝撃が走りました。もっと食べたくて、その子の分まで取り上げて完食。彼を泣かせてしまったほどです。
それ以来手づくりのおやつがうらやましく、後日、母にこの話をすると、申し訳なさそうな顔でこんな言葉が。「作ってあげたいけど仕事が忙しくて…。ごめんね」。働く女性は珍しかったこの時代、キャリアウーマンの母は毎日職場で一人闘っていたのでしょう。今でも忘れられない子ども時代の“涙のバナナブレッド”の思い出です。
そんな俺も今では3人の子を持つ親になりました。
ですが、食事もおやつも妻任せで、手づくりの経験がありません。そこで妻の指導を仰ぎながら自家製バナナブレッドに挑戦してみることに。これが生まれて初めて作ったとは思えないほどいい出来で! あのとき食べたバナナブレッドの味がよみがえってきました。幸福感に浸りながら、一口一口を味わっている俺の前では、子どもたちはパクパクッと一気食い。「パパの手づくりだ、もっとゆっくり味わえ!」と腹が立ちながらも、我が身を振り返りました。いつも自家製スイーツで僕や子どもたちを楽しませてくれる妻へ感謝しなくては、と。
実は最近、子どもたちも妻に教わりながらスイーツを作るように。先日は10歳の娘が俺の大好きなティラミスを作ってくれました。このティラミス、俺史上ベスト1に決定!
ユカイファミリー、手づくりスイーツに夢中です。
2020-06-02