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ミントの世界から

ペパーミントとスペアミント。チューインガムのフレーバーなら、どちらを選びますか? 実は違いがわからない、という人も多いのではないでしょうか。

ミントの代表品種

ペパーミントとスペアミントは、数百種類もあると言われるミントの中でも、代表的な品種です。生の葉や乾燥させた葉は、ハーブティーやサラダ、肉料理などに用いられ、世界中で親しまれています。また、これらのミントから抽出した精油は、食品や歯磨き粉などの香料、化粧品などに幅広く利用されています。

2つのミントの大きな違いは、香りにあります。スーッとする強い清涼感を持つペパーミントに対し、スペアミントはソフトな清涼感と甘さの中に、苦みがあるのが特徴。それぞれに香りのもととなる成分が異なります。

ペパーミントとスペアミントの違い

ペパーミントとスペアミントの違い

ペパーミントの香りのもとになっているのは、「l(エル)-メントール」です。和種のミント(ハッカ)にも多く含まれる成分で、キリッと爽快なスースー感は日本人にもなじみが深く、日本のガムや歯磨き粉は、ペパーミントベースのものが主流です。

一方、スペアミントの香りは、「l-カルボン」という成分が主体になっています。スースー感は控えめながら、ハーブ特有の香りが料理に合うことから、欧米では料理に使うミントと言えば、スペアミントを指します。別名「ラムミント」とも呼ばれ、英国の伝統的なラム肉料理には、スペアミントの葉に砂糖、酢などを加えてつくる甘いミントソースが欠かせません。

ラムチョップのミントソースがけ
ラムチョップのミントソースがけ

スペアミントから生まれたペパーミント

スペアミント(spearmint)のスペア(spear)とは「槍(やり)」の意味で、先のとがった花や葉の形を槍に見立てて名づけられました。

実は、ペパーミント(peppermint)は、スペアミントとウォーターミントが自然に交雑して生まれた品種です。ペパー(pepper)はコショウ。ピリリとした刺激のある風味がコショウに似ているから、とされています。

「ミントの世界」より転載

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