数ミリでめっちゃスースー! ミントの結晶ってどんな味?
ほぼ100%のメントール
ミントの「結晶」を知っていますか? 「薄荷脳」と呼ばれるこの結晶の正体は、和種のミント(ハッカ)の主成分、つまり、ほぼ100%メントールの塊です。
ミントの葉を乾燥した後、高温の蒸気で蒸して抽出した原油を冷やし固めると、メントールの結晶ができます。これが「薄荷脳」。ペパーミントやスペアミントなどミントにはたくさんの品種がありますが、メントールが最も多く含まれているのは、和種のミントです。
普段、あまり目にすることはありませんが、食品や医薬品、化粧品、たばこ、歯磨き粉などに幅広く利用されています。
かつて日本ではハッカ産業が盛んで、高い精製技術を誇り、質の高い薄荷脳は貴重な輸出品でした。昭和初期には、精油と薄荷脳の出荷額が世界市場の70%を占めるまでになりましたが、その後、海外の安いハッカや合成メントールに押されて生産量は激減。しかし、現在でも北海道の北見地方では、和種の改良品種から精油や薄荷脳が作られています。
スースー感が半端ない!
実は、薄荷脳は添加物としてだけではなく、結晶のままでも市販されています。今回は、インターネットで販売している「クリスタルペパーミント」を取り寄せてみました。
結晶を小瓶から手のひらに出すと、シャラシャラとした涼しげな音とともに、ほのかにミントの香りが立ち上ります。ごく少量を口に含むと、ミントの香りが口中に広がり、すっきりさわやか。唇にピリリとした刺激が残ります。
紅茶に入れると、上品なミントティーになりました。ただし、入れすぎには要注意。スースー感が半端なくきます! また、冷たい飲み物には溶けにくいので、気づかず塊のまま飲み込んでしまうことも。コーヒーやホットレモンなど、温かい飲み物によく溶かして飲むのがおすすめです。
ミントの結晶は、ほかにも、生活のさまざまなシーンで活用できます。お風呂に入れると、香りが浴室中に広がり、リフレッシュに最適です。ティッシュに包んで靴やタンスに入れれば、天然の消臭・防虫剤に。今から夏物の衣料と一緒にしまっておけば、来シーズンには爽やかな香りをまとうことができそうです。
「ミントの世界」より転載
2019-09-03