固有種のマーチ

教室レポート

千駄ヶ谷せんだがや多様性たようせいマップをつくろう!
固有種こゆうしゅ教室きょうしつだい2回目かいめ
多様性たようせいのカンサツ」レポート(渋谷区立千駄谷小学校しぶやくりつせんだがやしょうがっこう

固有種の教室#2

多様性ってなんだかおおきな話で、あまり実感がわかない。
多様性が大事なことはなんとなくわかるけど、僕らはどうすればいいの?
よく聞くけど実は掴みどころのない「多様性」について
みんなで楽しく考えていきましょう。

ロッテが展開する「固有種のマーチプロジェクト」の一環として、渋谷区立千駄谷小学校で「固有種の教室」を実施しました。固有種って何?聞き慣れない言葉だなと思う方もいらっしゃるでしょう。
固有種とは、特定の国や地域にしかいない生き物のことです。
世界中にいる愛らしい固有種たちを通して、人も動物も植物も、みんながそれぞれ「個性」を持つすばらしさと、「多様性」とはどういうことなのか?に目を向けてもらうきっかけを作りたい、という思いでスタートしました。

この記事では第2回目の様子をレポート。全3回の記事はこちらのリンクからもお読みいただけます。

・【第1回目】【第1回目】多様性のススメ:ゲームと授業で学ぶ、進化と生物多様性

・【第2回目】多様性のカンサツ:地域をカンサツして街の多様性マップを作ろう※本記事です

・【第3回目】多様性のシテン:自分を再発見!人間社会の多様性について考えよう

イベント概要:渋谷区立千駄谷小学校での「固有種の教室」第2回

第2回目は「多様性のカンサツ ~地域をカンサツして街の多様性マップを作ろう〜」
と題して、ワークショップを開催しました。
千駄谷小学校の6年生の2クラスの児童たちが6グループに分かれて地域の多様性マップづくりに取り組みます。大きなマップは千駄谷小学校を中心とした地図になっています。

地図
地図

まずはみんなが街を歩いて探してきた千駄ヶ谷の「仕事」「遊び」「植物」「景色」「動物」をグループ内で発表!

グループ内で街の特徴を話し合い、千駄ヶ谷の個性を動物や人の視点になって、さまざまな角度から見つけ出し、最後に2クラスの全グループで発表をします。どんな街の多様性がカンサツされたのでしょうか?

グループごとに話し合い
 

イベントムービー

 
   

1コマ目:カンサツ結果をみんなと共有しよう!【2-1】

まず1コマ目に行われたのは、宿題の発表です。カードを順番にくりだし、「次は僕のターン!」と白熱する光景もちらほら。

宿題カード

宿題カードは全部で6種類。第一回目の授業の最後に配られ、街をカンサツしてもらいました。

たくさんの発見を共有しながら、マップ上に整理していきます。「どこで見つけたの?」「家の近くだからここの通り!」と場所ごとにカードを集めていくグループも。

カードを地図にはる生徒

カードにのり付けしてマップに貼っていきます。関係がありそうなものは線で繋げたり、囲んだり、各グループごとの工夫がうかがえます。

地図を作る生徒

ざっくりと整理ができたら、次は大まかな特徴を抽出していきます。「たくさんあるものは?」「逆に少ないもの、無いものはなんだろう?」と話し合い、気付いたことを付箋に書いて貼り付けます。

気付いたことをことを付箋で地図に貼る

各グループ、さまざまな意見が飛び交います。

「この場所は植物が多いよね」「たくさん虫がいるよね」

「神社や公園では、運動してる人が多くない?」「休憩してる人もいるよ!」

「逆にないものって?」「大きなデパートがないってお母さんがよく言ってるよ」

「仕事って何か見つけた?」「人と話す仕事をしている人が多いよね」

話し合う生徒たち
話し合う先生と生徒たち

中には先生も見たことがない動物や虫を見つけたという児童も。知っているようで、実は知らない自分の暮らす街のこと。あっという間に時間は流れていきます。さぁここから街の個性をどのように捉えていくのでしょうか!

2コマ目:千駄ヶ谷の多様性マップをつくろう!【2-2】

2コマ目は引き続きグループごとにマップから街の個性を探っていきます。グループでの議論が煮詰まってきた頃、グループ間でのカンサツが始まりました。

グループ間で意見交換

グループ間でマップを見せあいながら、新たな発見があったよう。さっそくグループに意見を持ち帰って、話し合います。

話し合う生徒たち

人間から見た千駄ヶ谷、他の動植物から見た千駄ヶ谷、それぞれの視点で、千駄ヶ谷の個性について書き出していきます。特に多くカンサツされた鳥、虫、植物の視点になって、ポジティブ・ネガティブなことを整理しているグループも。

千駄ヶ谷の個性を地図に貼る

ワークショップで注目したいポイントは、人間以外の立場になって考えるとまったく違った街の景色が見えてくること。6グループの代表者が人間にとっての千駄ヶ谷、他の動植物にとっての千駄ヶ谷、それぞれカンサツした街の個性を発表します。

マップ見る生徒たち

2クラスがマップに集まって聞き入ります。

「千駄ヶ谷は自然が多くて、散歩したり休憩したり、人間にとって運動や癒やしの場所を提供してくれる。鳥や虫にとっては住む場所がたくさんあると思う。木が伐採されたら夏は木陰がなくって暑いし、動物や虫は家がなくなってしまう」

「千駄ヶ谷は飲食店がたくさんあります。人間はご飯が食べられて、人と接する仕事が生まれています。ゴミはカラスやネズミのご飯になっていると思うから、そういった動植物には住みやすい街だと考えました」

地図の周りに集まる生徒たち

「千駄ヶ谷には自然や仕事、遊びもたくさんあります。何でもあって人間も動植物も住みやすい街です。でも、海がありません。だから川や海、水辺の生き物はいないことに気づきました」

人間も、動植物も、みんなが生きやすいと感じた街。けれど、生きられない存在がいることにハッとする瞬間も見受けられました。

グループごとの視点、そして人間や動植物の視点から見る街は、さまざまな生き物が繋がり、支え合い、多様なサービスを提供しあうことで成り立っていることが分かりました。

さらに、飲食店やスーパーの多い街であっても、そこに並んでいる魚は、他の地域からやってきたもの。視点を広げてみると、地域や街の支え合いのなかで、今の暮らしが成り立っていることに気づかされます。

地域の航空写真

第3回目の「固有種の教室」に向けて、課題シートが配られました。

街の次は「自分」のエッセンスを探して、シートに書き込んでもらいます。自分の性格や、得意なこと・興味があること、逆に苦手なこと、将来の夢ややってみたいことなど。最後に自分を生き物や他のものに例えると?という項目があります。

自分のエッセンスを探そうシート

第3回目の教室では、同級生たちにインタビューをしながら、個性を再発見してもらいます。次回レポートもぜひご注目ください。

児童たちの感想

・街は人だけではなく、動植物も共に生きているということを実感した。

・自然生き物にとってどのように感じているか視点を変える機会になりました。視野を広げると、人間が暮らしやすいと思っていることと、動物たちが住みやすいと思っていることが大きく違っていて面白かったです。

・チームごとに千駄ヶ谷をどのような街と感じているかがバラバラで新しい視点から千駄ケ谷を見ることができました。知れば知るほど千駄ケ谷が面白いなと思いました。

・動物側で考えてみると普通の日常を命がけで戦っていたり、人間の作る建物によって鳥は止まりづらそうだ等、動物にとってどんな生活を送っているのか改めて考えられました。色々な生き物の気持ちも考える事が大切だなと思った。

児童たちは、同級生の意見や、他の生き物の視点になることで、多くの発見があったようです。また、感想からも自分たちとさまざまな生き物が共生する街への関心が深まったことがうかがえます。

地図を作る生徒たち

次回の予告

第3回目のテーマは「多様性のシテン」。五箇公一先生による講義を開催します。児童たちは自分のエッセンスを探して、シートに書き出します。教室では同級生にインタビューをしあうなかで、自分の個性を再発見するワークショップを実施。一番身近な自分、そして同級生たちの多彩な個性を知ることで、多様性と人間社会の繋がりをさらに深めてもらいます。

第1回レポート>多様性のススメ:ゲームと授業で学ぶ、進化と生物多様性
第3回レポート>多様性のシテン:自分を再発見!人間社会の多様性について考えよう

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