カリンの産地である香川県に、カリンにまつわる授業を行っている小学校があると聞いて、編集部は香川県まんのう町を訪問、授業に潜入してきました!
この日は、満濃南小学校3年生の児童たち約40人が、まんのう町内にある多田耕作さんのカリン畑を訪れカリンの収穫を体験。
伝説のカリンが生えている場所へ
まずは、まんのう町地域振興課主査の松下信重さんから、まんのう町とカリンの歴史についてのお話などを。約1200年前に弘法大師・空海がカリンを唐から持ち帰り、まんのう町に植えたという言い伝えがあるのだそう。
カリン畑へようこそ
続いてカリン生産者の多田さんより、カリンの収穫体験に向けて採りごろのカリンの見分け方や採るときのポイントなど簡単なレクチャー。
そして、児童たちはカリン畑へいざ出陣!
手のひらよりも大きなカリンを目の前に、楽しそうに収穫する児童たち。
学校の校庭やおばあちゃんちの庭で見たことあるという児童たちも、収穫するのは初めてという子ばかり。
黄色く色づいて芳醇な香りを放つカリン畑の中で、より大きなカリンを求めて奥へ奥へと進む児童や収穫したカリンを帽子に入れて運ぶ児童、両腕いっぱいにカリンを抱える児童など、秋晴れの気持ちいいカリン畑に、子どもたちの笑顔も炸裂!
カリンに触れた子どもたちからは、うれしい声が聞こえてきます。
「黄緑のよりも黄色のカリンの方がいい香りがした!」
「大きなものやきれいなものを選んで収穫するのが楽しかった。」
「カリンを育ててみたい!」
小さいころからカリンの存在は知っていたけど、その正体をあまり知らなかった子どもたちも、実際どんな風に実って、どんな香りがするのか、収穫体験を通じてカリンの魅力に改めて触れる機会になったようです。
もっともっと、身近な存在へ
小学校でのカリンの授業を行うことについて、まんのう町地域振興課主査の松下信重さんはこう話します。
「まんのう町にとってのカリンの歴史を知り、実際にカリンを収穫したり調理実習などを通じてよりカリンの魅力に触れることで、子どもたちに地域の誇りや愛着を持っていただけたらと思っています。11月には調理実習として児童たちとカリンのシロップ漬けなどを作る予定です。ぜひ授業での体験をそれぞれのご家庭にも持ち帰って、暮らしの中にカリンを取り入れていただけたら嬉しいですね。」
カリンが町木にもなっているまんのう町。昔からこの土地に暮らす方々にとっては、カリンの産地でもあり庭木としても見慣れているカリンですが、今の子どもたちの世代にとっては、ちょっぴり距離がある存在。
だからこそ、町と小学校が連携し、授業の中でカリンとともに歩んできた町の歴史を含めてカリンの魅力について理解を深め、改めて自分たちの暮らす町の大事な特産品としてともに育んでいくための第一歩を踏み出しているのだということを強く感じました。
カリンという名前のチャーミングさと黄色い色、ころんとしたフォルム。カリンがあるところには、そこに携わる人たちの笑顔があふれているな~と取材を通じて常々感じる編集部でした。
取材日:2023/10/27
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