その
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「医食同源」や漢方への考え方も広く知られていますが、実はカリンも漢方の生薬として使われているんです。そう聞くと、ちょっと身近に感じませんか?生薬として使われてきた歴史とその効果をご紹介します。
カリンは、昔から漢方の生薬として使われてきた果実。日本薬局方では「木瓜」と規定され、咳や痰を取り除き、腸の働きを整えるため下痢にも効果があると言われてきました。
生薬とは漢方薬の原料のことで、有効成分を持った植物などをそのまま利用し、化学的な抽出、精製などをしないで薬用に使います。植物など天然由来のものを利用する生薬は、たくさんの経験のなかで有効性と安全性が確かめられ、伝承されてきたものなのです。
カリンの効成分にポリフェノールやトリテルペン類等が挙げられますが、これらのポリフェノールがとても大事な働きをします。
細胞についた細菌やウイルスが酵素のはたらきで細胞を壊すと炎症が起こります。このときに、炎症活性を抑えるのに有効なのがカリンなどに含まれている成分、ポリフェノールです。さらに、カリンに含まれているトリテルペン類には、菌などの繁殖を抑える抗菌作用が認められています。抗炎症作用と抗菌作用の両方を持ち合わせているのがカリンなのです。
参考文献:岡村理恵・米村望・川村玲美編,「カリンのチカラ」,第1刷発行,NHK出版, 東京, 2013, 95p, P.11-12
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