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その
06

カリン大百科

炎症の原因になる
細菌をやっつける
ってほんと?

――空気が乾燥する季節になると、加湿器を使ったり、マスクをしたり、飴を舐めたり、みなさんそれぞれ乾燥に対するケアで工夫されていると思います。実はそんな乾燥する季節にカリンがオススメ。中国においてカリンは昔からのどに良い果実として使用され、咳や痰を抑える作用があると言われています。そんなカリンが持つ“機能や有効成分”について、ロッテ中央研究所の大澤謙二さんにお話しを聞きました。

腫れや痛みをともなう炎症は、のどの粘膜に付着した細菌やウイルスの感染や増殖によって引き起こされます。この菌やウイルスの活動を阻害する成分が、カリンに含まれていることがわかりました。

ひとつはポリフェノール。カリンのポリフェノールには、ウイルスの感染を抑える効果、炎症に関わるヒスタミンの放出を抑える効果があることが分かりました。もうひとつは抗菌活性の強いトリテルペン化合物です。トリテルペン化合物はのどの炎症を引き起こす細菌の増殖を抑える効果があることがわかりました。昔からのどに良いといわれてきたカリン。その秘密が少しずつ明らかになってきました。

ウイルスと細菌はどう違うの?

細菌は単細胞の生物であり、栄養を得て細胞分裂を繰り返し増殖します。一方、多くのウイルスは細菌の1/1000~1/100の大きさで、自力で増殖することができません。ほかの生物の細胞内に侵入して、その機能を利用することによって増殖します。

教えてくれた人

教えてくれた人

大澤謙二さん

ロッテ中央研究所噛むこと研究部 部長補佐
1985年ロッテに入社。中央研究所基礎研究部でカリンエキスをはじめとする素材開発研究に24年間携わる。中央研究所の基礎研究部、次いで「噛むこと」の研究の専門部署「噛むこと研究部」の責任者を歴任。現在は同研究部部長補佐。薬学博士。

カリンへの愛

カリンはさまざまな有効成分をもつ素晴らしい果物です。古くからのどに良い果実として用いられてきましたが、未だに解明されていないことがたくさんあります。そんな神秘的な部分も魅力ですね。

参考文献:大澤謙二他, カリン(Chaenomeles sinensis )果実より単離されたトリテルペン及びβ-sitosterolの抗菌活性及び抗溶血活性. Natural medicines 51 (4): 365-367 (1997).
大澤謙二他, カリン(Chaenomeles sinensis )果実のヒアルロニダーゼ阻害効果及びラット肥満細胞からのヒスタミン遊離阻害効果について. Natural medicines 53 (4): 188-193 (1999).

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