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カリンは友を呼ぶ!
ひとつずつ楽しみを実らせて。
吉田果鈴さんに聞く、
made in Karinの魅力

カリンを愛でる 吉田果鈴さん

まだまだ解明できていない、知ってるようで知らないカリンに迫り、さまざまな視点から魅力を届ける『カリン100%マガジン』。『カリンの友』コーナーでは、カリンに魅了されたヒトたちへのインタビューを連載しています。今回の友は、どうやらスーパーや青果店でもなかなか出回っていないカリンを、暮らしのなかで楽しみ、愛でているそう。いつから?どうやって?なぜ……?カリンブローチをつけた吉田果鈴さんとともに、愛情満開のカリントークをお届けします。

かりんさん、衝撃の初対面

――はじめまして、お名前を見たときからビビッときてしまって。さっそくですが、名前の由来を聞かせてください。

くだものの“果”に“鈴”と書いて、かりんと読みます。小さい頃に両親に聞いた話によると、果実が鈴なりに実るように、友達がたくさんできてみんなと仲良くしてほしいという思いを込めてくれたんだとか。祖父母が青果の卸問屋を営んでいて、父もそこで働いていたので、果物にちなんだ名前になったのかもしれません。

――すてきなエピソードです!果鈴さんは小さい頃から果物に囲まれていたのですか?

そうですね、子供の頃からよく食べてましたよ。メロンやりんご、何でもあったと思います。でもカリンは北海道にありませんでした。
だから、大きくなるまでは本物のカリンを見たことがなくって。商品のパッケージで見たことがあるだけで。たぶんみなさんと一緒で、柑橘なんだろうな、とおぼろげなイメージはありました。

――本物のカリンとの初対面はいったいどこで?

吉田さん:5、6年前ほど前にやっとこの目で実物のカリンを見たんですよ!夫の実家に行くと、庭にカリンの木が植えてあって。夫のお母さんがはちみつ漬けのシロップを作って、出してくれたんですよね。おいしいなぁと思って飲んでたら、ある時本物のカリンの実を見せてくれて。「なんだこれは!」と驚きました。それがカリンとの衝撃の初対面です。

――庭にカリン、いい風景ですねぇ

秋頃になると玄関にカリンが置いてあって。庭木のカリンは自家用ですし、果物農家さんの知識があるわけではないので、こんなにピカピカではなかったです。ゴツゴツして傷とかもたくさんあったんですけど、それがまた素朴でいいなぁと。

――カリン愛が深まったきっかけは?

最初は義理の母が作ったシロップをいただいて、しばらくしてカリン酒が作れることを知って。もともと家で梅酒を漬けたりするのが好きだったので、自分でもやってみようと思って始めたのが、愛が深まるきっかけですね。義理の実家でカリンをもいで、使わせてもらってます。

実際にうちの夫も飲んだことないと言ってて、誰も興味を示さないなんてもったいない。カリンが当たり前にある暮らし、なんとぜいたくなことか...…!なので、私が興味を持ったのを喜んでくれたみたいで。

――カリン酒やシロップのレシピは教えてもらったり、アドバイスをもらっていますか?

聞いたことはあります。でも、昔からお母さんたちって「そんなの適当に作ってるわよ」って、とりあえず洗って切って皮ごと漬けたら大丈夫!みたいな。なのに、おいしくできちゃうんですよね。

――お母さんあるあるですね!

だから正確な分量は分かっていなくて。種はお茶っぱのパックに入れて置いておけば大丈夫、みたいな豆知識はちゃんと教えてくれたりして。

——お母さんはどこでその知識を仕入れたんでしょうね。

千葉県はカリンの産地としても知られているみたいです。それでもメジャーな果物ではないのでどうやって知識やレシピが伝わっていったのかは分からないんです。こうやって話してみると、カリンとの不思議なご縁がつながったことに、ありがたみが湧いてきます。

カリンはだんだん愛しくなる

――ここからは果鈴さんのカリンの楽しみ方について深掘ります。やはり可愛いカリンのブローチが気になるので、ぜひ教えてください!

ありがとうございます。自分でカリン酒をつけてみたらだんだん愛おしくなってきて、一人で楽しむだけじゃなく、もっと広めたいと思って。カリン活動と言いますか、手始めに何かやってみようと思って、元旦にカリンのロゴを作ってみました。

カリンは黄色と緑のまだら感がチャームポイントだと思っていて。ここにあるカリンは熟して黄色が強いけど、もう少し早いと緑が残っていて、そのグラデーションが魅力的。それをグラフィックにする時に、色の表現をどうしようかなと悩みまして。

普通にマーブルではなくて、黄色✕緑のチェック柄にしたら可愛さが出るかなぁと。あとは、何と言っても独特なシルエットがキュートなので、形にはこだわりました。

レモンも可愛いんですけどね、カリンは知れば知るほど愛おしいなぁ。

——良いフォルムですよねぇ。レモンや洋梨とはまた違ったぽってり感がたまりません。

かなり試行錯誤したので、嬉しいです。3年ほど前に作ったタペストリーは独特のフォルムが納得できなくて、ちょっと悔しかったので。

これは、毛糸を一針ずつ刺して作ったパンチニードルの作品です。タペストリーやラグのようなもので、部屋に飾るとオンライン会議の時に写り込むので、じわじわとカリンアピールをしています。この頃はまだカリンのフォルムの特長が掴みきれていない....。たぶん洋梨だと思われてるだろうなぁ(笑)。

——すでにたっぷりの愛が伝わっていますよ!そろそろ、今日持ってきてくれた苗についてもお伺いしたいです。

果鈴による“カリンの木”を作りたいなと思ってやってみたら、案外うまく育ってくれて。2週間ぐらいで何か芽がぬるぬる出てきましたね。にょろにゅろ毎日伸びてくるから朝見て、仕事から帰ってきたらまた見て、可愛いんですよ。

種から芽吹いて自分の木になるって、いいですよね。ただ、植物が好きで他にもどんどん増えているから、お家が大変なことになってます(笑)

土に植え替える時もどの配合がいいのか情報がほとんどなくて。勘をたよりにやってみたら意外と育ってくれました。これにあの大きな実がなるって想像すると、本当にすごいですよね。

かりんによるカリンのためのmade in Karin

——これからカリンを通して挑戦してみたいことはありますか?

いろいろな味のカリン酒を商品化したいなっていう大きな夢はあります。まだ誰もやってないことができそうな予感がして、made in Karinでやってみたくて。

6月になるよく梅仕事を見かけますよね。カリンは硬くて切るのが大変なくらいで、梅仕事より全然手間がかからないかも。もしかしたら秋になったらカリン仕事をみんながやってるかもしれない……!

あとは、漬ける前に何週間か香り楽しめる時間がいいですよね。色の変化と香りの変化をを楽しんでから、満を辞してお酒とかシロップにする。ちょっと熟してからのほうが漬けるにも都合が良いですし。プロダクトを通じて、家庭や暮らしのなかにある秋の風物詩になったらいいなぁと。

——カリンについて、一番愛らしい!と思うチャームポイントは何だと思いますか?

カリンの香りや効能、見た目のかわいさ、たくさん魅力があって、ポテンシャルが高いにもかかわらず、あまり知られていないところがまた良いです。“私のカリン!”みたいな気持ちが少なからずあって、そこまでがワンセット。

生で食べられない、不利な状況におかれつつも、堂々とした佇まいがまた良いと思うんです。なんだか生き方を学んでいるような気持ちになります。逆境でも謙虚に、できることはたくさんあるんだぞ、という自信を持つ。

——果鈴さんにとって、カリンはどんな存在ですか?

なんて表現しようかな、名前が一緒なので、難しい!分身というより、全然違う生き物の兄弟といったところでしょうか。芽が出た子たちには名前を付けていまして、ちゃんと兄弟と認識しているんです。

フランス語で1(アン)、2(ドゥ)、3(トロワ)を、漢字で“杏ちゃん”と“堂くん”と“虎和くん”と呼んでます。カリンなのに杏なのはご愛嬌ということで。

【編集後記】
カリンの苗とともにカリンとの出会いから暮らしのなかでの愛で方まで、たっぷりと語ってくださった吉田 果鈴さん。

庭木のカリンをきっかけに、暮らしのなかでひっそりと受け継がれていたカリンのシロップ漬けと出会い、本物の実を見て驚き、自らの手でカリン酒やロゴを作ってみる。さらに種から新しいカリンを芽吹きを手伝ったりと、ひとつずつ「made in Karin」の楽しみを実らせていく。そんな姿に、いつの日かカリンの友がたくさん集まって、カリン酒を囲む日を夢見ずにはいられません。両手にカリンの夢と可能性を携えて、「made in Karin」のストーリーは始まったばかり!

取材日:2024/2/14

プロフィール

吉田果鈴さん
北海道出身、千葉県在住。一般企業に勤めながら、フリーデザイナーとして活動。地元にはカリンがあまり流通しておらず、幼い頃は馴染みがなかったが、大人になってカリンと運命的な出会いを果たす。同じ名前を持つ者としてカリンを愛し応援するため、様々な形でのカリンのプロダクト化を模索中。自宅ではカリン酒やカリンシロップを作って食したり、種からカリンを育てたりしながら日々カリンを愛でる。