オーラルフレイルの概念・定義が明確に、わかりやすくなりました。

日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の3学会は合同で、2024年4月1日に「オーラルフレイルに関する3 学会合同ステートメント」を公表しました。ロッテはこのオーラルフレイルの概念普及に協力しています。

■ポイント

・オーラルフレイル(Oral Frailty)の概念・定義について、より理解しやすく評価しやすい形になりました。
・オーラルフレイルのチェック項目( Oral frailty 5-item Checklist:OF-5)の5項目のうち、2項目以上に該当する場合には、オーラルフレイルに該当します。
・OF-5で判定されたオーラルフレイルは、フレイル、要介護認定、死亡のリスクが高いことが示されました。
・OF-5で判定されたオーラルフレイルは、身体的フレイルだけでなく、社会的フレイルにも関連することが示されました。
・歯科職種を中心とした多職種連携でオーラルフレイルの対策を行うことを明確にしました。

■公開の背景

オーラルフレイルは日本で考案された概念であり、2014 年に初めてその基本的な概念が提唱され、その後、多岐にわたる検討が行われてきました。オーラルフレイルを国民によりイメージしやすい概念にブラッシュアップすることを目的に、日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会、日本老年歯科医学会による「オーラルフレイルに関する3学会合同ワーキンググループ」が2022年に設置され、オーラルフレイルに関する概念と定義の再検討が行われ本ステートメントの公表にいたりました。

■オーラルフレイルとは

オーラルフレイルは、口の機能の健常な状態(いわゆる『健口』)と『口の機能低下』との間にある状態です。

咬みにくさ、食べこぼし、滑舌の低下などのオーラルフレイルの症状は、身体的(フィジカル)フレイル、社会的(ソーシャル) フレイル、 精神・心理/認知的( メンタル/コグニティブ)フレイルなどに代表される、高齢期に生じる複数の課題が重複して生じる“口の衰え”であり、改善可能です。つまり、早期にオーラルフレイルの兆候を評価して適切な対策を行うことにより、機能低下を緩やかにし、さらには改善する可能性があります。これまでの介入研究の知見でも、その可能性が示されています。

■評価方法

オーラルフレイルのチェック項目( Oral frailty 5-item Checklist:OF-5)を用いて評価します。検査機器がなくてもセルフチェック可能ですので、国民自身や歯科職種以外の多職種で評価可能である点が特徴です。OF-5の5項目のうち、2項目以上に該当する場合に、オーラルフレイルに該当します。

■今後の展望

「口腔に関するさまざまな機能の軽微な衰え」を、歯科医療専門職が中心となった多職種協働により対応することで、食べる、飲み込む、話すなどさまざまな「口の機能の障害」および身体的フレイル・社会的フレイル・サルコペニア・低栄養といった次のレベルの障害の発症や重症化を食い止めることにつなげたいと考えています。そのために、新たな概念図と5項目から構成される評価法(OF-5)を用いて、早期段階であるオーラルフレイルの対策を、産学官民の連携により、多様な場面で実施する予定です。

ロッテはこのオーラルフレイルの概念普及に協力しています。
リーフレットはこちら

日本老年歯科医学会 特設ページ「オーラルフレイルを知っていますか?」
https://www.gerodontology.jp/committee/002370.shtml