ビックリマン悪魔VS天使シリーズの物語をもう1度おさらいしよう!
【第2章】ブラックゼウス編
大好評で次々とシリーズを重ねる『ビックリマン伝説』。その起源は1985年。今から約30年前にある。子供たちの間で悪魔VS天使シールは大ブームとなった。その衝撃は強く、今もなお広い世代にビックリマンシールは愛され続けている。
悪魔VS天使シリーズの物語は、一貫して続くエンドレスなスペース大河ロマンと言えよう。壮大すぎる物語から30年もの間に、2000枚近いキャラクターが誕生した。『ビックリマン伝説』チョコでは懐かしい悪魔VS天使シリーズの断片を切り取り、振り返る楽しみもある。
現在発売中の『ビックリマン伝説4』チョコには、そんな悪魔VS天使の第6弾シールが封入されている。キャラクターは昔のままで、シールは最新のエンボス加工がなされていたり、当時は無かった新シールも登場する。まさに変わらず愛されるキャラクターと最新技術の融合がシールで成されているのだ。そんな懐かしくも新しい『ビックリマン伝説4』シールの歴史をわかりやすく振り返ってみよう。
【ブラックゼウス】
実は『ビックリマン伝説4』チョコには、3種のブラックゼウスシールが封入されている。1枚はフルカラーのノーマルなブラックゼウスだが、残り2種はちょっと変わり種シールだ。約30年前の発売当時、ブラックゼウスはホログラムシールとして登場したのだが、これをノーマルシールで再現したものがその2種である。
文字や目の色が異なる赤版と青版の2種があり、「昔のブラックゼウスシールを傾けると、こんなふうに見えたんだよな!」と懐かしさに浸れる出来だ。3種のブラックゼウスシール、背景のエンボス加工も2種類という手の込みよう。一大超悪魔であるブラックゼウスにふさわしい豪華ラインナップだが、そんなブラックゼウスというキャラクターに迫ってみよう。
ブラックゼウスは悪魔・お守り・天使が分裂する前に誕生した、統一された世界の次神子として生まれた双子のひとりなのだ(もうひとりはスーパーゼウス)。しかし、卵の状態で生まれたブラックゼウスは、悪心に目覚めた始祖ジュラによって飲み込まれ、行方をくらましてしまう。結果的に、この事件が一つの星を天魔界(悪魔)・天地球(お守り)・天聖界(天使)に分裂させることになる。
それから幾年月が経ったことだろうか。悪魔と天使が抗争を繰り広げ、スーパーゼウスに敗れ、長く眠っていた始祖ジュラは、いよいよ天聖界を征服すべく眠りから覚めた。そう、悲願の天聖界を手に入れるべく。
始祖ジュラの侵攻を塞いだのは6天使合同による聖卵爆撃だった。これにより、ジュラは完全に命を絶った。脱皮し、自らの敗北を宣言したように見えたジュラだったが、長年体内に収めていた卵が割れる時でもあった。ブラックゼウスの誕生である。
ジュラの悪心で染め抜かれたゼウスは、次神子どころか、超悪魔としてその姿を現した。双子らしくまったくスーパーゼウスと同じ顔をしている。だが、育ての親・始祖ジュラの皮をまとい、どの悪魔よりも強く猛威をふるった。これにより天聖界は壊滅状態に陥る。もはや星としての機能を失い、ただブラックゼウスにされるがままの状況が続いた。
傍若無人に暴れ回るブラックゼウスには理由があった。それは己を知らなさすぎて、ただ猛威の限りを尽くし続けることしか出来なかった。長年の間、始祖ジュラの体内で、それも卵の中で生きてきたブラックゼウスには「戦いとは何なのか」「なぜ天使と戦うのか」といったことが把握できていない。ただ染まりし悪心のおもむくまま、ただただ天使たちを攻撃し続けるしか出来なかったのだ。
おそらく「自分が何者なのか」すらもわかっていなかっただろう。悪魔最強の呼び声も高いが、己の戦闘能力も未知数で、それを知らぬまま戦い続けているのだから。本来は天使でありながら、悪魔の心を宿したブラックゼウスは悲運のヘッドキャラクターなのである。