LOTTE RECRUITINGPROJECT STORY
新商品開発にチャレンジ!
血圧が高めの方のミントガム
開発プロジェクト
これまで『歯につきにくいガム<記憶力を維持するタイプ>』『マイニチケアガム<ストレスや疲労感を軽減するタイプ>』など
他にはない発想で注目を集めている機能性ガムシリーズ。
新たに2020年に発売した『血圧が高めの方のミントガム』開発ストーリーをお届けします。
PROJECT MEMBER
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マーケティング部
ブランド担当S・M2010年入社
基礎研究部に配属
2016年より現職 -
中央研究所
チューイング研究部K・S2016年入社
新商品菓子研究課に配属
2019年より現職 -
工場管理部
生産企画課Y・S2016年入社
狭山工場管理生産企画課に配属 -
営業本部
菓子営業Y・M2017年入社
営業本部九州統括支店に配属
2019年より東京圏統括支店
INTRODUCTION
食を通じた健康行動への意識が高まる中、「お菓子は健康によくない」と思っている方は少なくない。
ロッテは2020年にマイニチケアガム『血圧が高めの方のミントガム』を発売。薬ではなく菓子だからこそ、場所や時間を問わずリフレッシュ感覚でおいしく食べることができる。
今までにない「血圧」に着目した商品がどのように生まれ、お客様の心をどうとらえたのか―
マーケティング、研究、工場、営業。この商品に携わった社員それぞれの視点で語る。
ガムで機能性表示食品開発に
チャレンジ!
生活様式の変革によって、ガムを噛む食シーンが減ってきている。「新しいお客様にガムを噛んでいただきたい」「昔はよく噛んでいたけど最近は噛まなくなってしまったお客様に戻ってきてもらいたい」マーケットをけん引するロッテにとって、ガム市場の再活性化は長年の課題であった。
ロッテはこれまで、ガムを通じてさまざまな「付加価値」を提供してきた。1997年発売のキシリトールガムは、「歯を丈夫で健康に保つ」という新しい健康価値を生み出した。また、2017年に発売した『歯につきにくいガム<記憶力を維持するタイプ>』はターゲットであるシニア層から多くの支持を集めた。
そんな中2019年4月、 血圧に関するガイドラインが 改正されると報じられた。「病気の範囲ではないが、血圧が高め」とされる基準値が引き下げられ、これにより今後、血圧が高めと判定される人が増える可能性がある。
マーケティングS・M
「今までにない、血圧にアプローチした機能性表示食品の開発。様々なガムの知見を持つロッテにしか成し遂げることのできない挑戦に心躍りました。」
こうして、「血圧」という社会的テーマに対峙するというマーティングS・Mの強い想いのもと、プロジェクトはスタートした。
MEMBER’S VOICE
マーケティング
「今回のプロジェクトでは、かつて基礎研究部門に所属していた頃の経験や知識が大いに役立ちました。機能性表示食品は、論文やエビデンスをもとに研究部門とディスカッションしなくてはならないという点で他の商品と大きく異なります。実験データについて検討する際は、研究員の立場や考え方を理解した上で進めることが、商品化において不可欠と当初から考えていました。」
研究
「もともとガムには“美味しい”以外にも、健康に貢献できる機能面のメリットがあると考えていました。そのため、お客様の健康に直接アプローチできるこのような商品に携わることができてとても嬉しかったです。『お客様のニーズを先読みした商品を開発し、自分の手掛けた商品で世界に笑顔と健康を届けたい』。就職活動時、私はロッテのエントリーシートにこう書きました。それだけに、この商品には並々ならぬ思い入れがありました。」
お客様の健康に貢献できる商品を
血圧に関するコンセプトの菓子はそもそも前例がなく、素材の選定は一つ一つ慎重に進める必要があった。血圧を下げる効果が報告されている素材の候補はいくつかあるが、その中からガムの風味を損なわない素材を選び抜くのは、ロッテの研究員として腕の見せ所となる。そのうえ全国のお客様にお届けするとなると、安定して供給できる素材でなければならない。供給量やコストを考慮しながら、調達部門とも連携する必要があった。
研究K・S
「素材の選定には多くの時間を費やしました。試行錯誤の結果、『モノグルコシルヘスペリジン』という成分を配合することに決定。しかし成分特有の香り、特に苦みがあることが商品化において大きな課題でした。
美味しさを追求するためその後も試作・試食を繰り返した結果、ミントでうまく苦味をマスキングする(包み込む)ことに成功しました。」
試作品が仕上がり安心したのも束の間、機能性表示食品として商品を販売するためには、消費者庁の定めるルールにのっとった申請書類を提出する必要があった。
研究K・S
「申請書類の審査には2カ月以上の期間を要し、不備がある場合は差戻されてしまいます。自分の申請ミスで発売時期を遅らせてしまってはダメだ。覚悟を決めて、提出書類や国のルールについて徹底的に勉強した上で、書類作成に取り組みました。消費者庁から承認の連絡がきた時、それまでの努力が報われた気がしました。すぐ関連部署に報告し、皆で喜び合った瞬間は忘れられません。」
研究K・Sのたゆまぬ努力により、『血圧が高めの方のミントガム』は機能性表示食品として無事、認められた。
お客様に安心・安全な商品を
届けるために
従来にないコンセプトの商品とは、工場にとって生産計画が非常に立てづらいものである。マーケティング・研究部門の「お客様に早く食べてもらいたい」という想い。営業部門の「お客様に伝わるよう売場を彩りたい」という想い。そして生産部門の「お客様に安心・安全な商品を届けたい」という想い。いずれも“お客様のために”という点では同じ。しかし立場によって要望が異なるのが難しい。
様々な部門の意見に真摯に耳を傾けながら、最適な生産体制を整えていく。そこには、製造に携わる者として決してぶれてはならない矜持がある。
生産Y・S
「私たちがつくる食品には賞味期限があります。お客様に最上の品質をお届けするためには、ただ多く生産すればよいという訳ではなく、適正値を見極めることが大切です。またロッテでは他にも多くの商品を生産しています。生産ラインごとに商品の販売状況や工場の人員配置など、様々な要素を考慮しながらシミュレーションをおこなう必要があり、大変苦労しました。」
生産Y・Sの地道かつ着実な努力の結果、最上の品質を世に送り出すことができた。
MEMBER’S VOICE
生産
「今までにない商品ということもあり、発売までに想定される懸念点を洗い出し、一つひとつ解決していくことが大切でした。マーケティング部門や需給部門、そして生産現場と何度も議論を重ね、情報収集に努めました。今回の経験を通じて、先を予測し周囲に働きかける力が磨かれたと感じます。また大学では医療分野の研究に携わっており、入社前から「人々が楽しく健康を気遣う世の中にしたい」というビジョンを抱いていました。今回この商品に携わることができて、夢に一歩近づけた気がします。」
営業
「時代の流れをくみ取り、いち早く商品化に繋げるこの会社で働けることに誇りを感じています。実は私の父も血圧を気にしていて、父と同じような不安を抱える人へこの商品を届けたい、という想いが人一倍強かったと思います。店頭にただ商品を並べるだけでは認知してもらえません。そのため、お客様の“買ってみたい”という心のスイッチを押す仕掛けづくりも営業の大切な仕事です。」
困難を乗り越えるチャレンジ
『血圧が高めの方のミントガム』のスタートは厳しいものとなった。発売時期が新型コロナウイルスの流行、緊急事態宣言の発令と重なってしまったのである。小売店への訪問業務が制限され、ロッテの強みである売り場づくりができない。さらにお客様も感染予防のため足早にお買い物を済ませ、新商品をなかなか認知してもらえない。そんな困難をアイデアで乗り越えるのがロッテの営業である。
営業Y・M
「私は現在ドラッグストアを担当しています。商談時にバイヤーからも好評だったので、お客様に商品を認知してもらえれば売れる自信がありました。 新型コロナウイルスによる自粛生活が続き、ストレスを感じる方が増えている点に着目しました。こんな時こそ“セルフメンテナンス”のニーズがあるはず。『血圧が高めの方のミントガム』を、すでに販売している『マイニチケアガム<ストレスや疲労感の軽減するタイプ>』と一緒に売ることを提案しました。全店舗での展開が決まった際は、商品の特徴を書いたPOPなどの販促資材も用意しました。結果、多くのお客様から反響をいただき、得意先の売上を大きく伸ばすことができました。」
その後、新CMを放映し、ボトルガムはスリムな形状にリニューアルすることで手を伸ばしやすい価格設定に変更。『血圧が高めの方のミントガム』は発売後も試行錯誤を重ね、進化を遂げている。
しかし商品の認知度は現時点で決して満足のいくものではない。また、習慣化を促すには継続的にお買い上げいただくためのアピールも必要である。ガムで健康をサポートできるということをより多くのお客様に知ってもらい、日々噛んでいただくためにはどうすればいいか―おいしいお菓子を提供するだけでなく、人々の生活習慣にもっと寄り添うためには―ロッテはこれからもお客様の立場になって考え、このテーマに挑戦し続ける。