子どもたちの未来を守る

カカオ豆生産地の一部では、子どもたちが学校に通えず家族と共にカカオ栽培を手伝わざるを得ない状況や、農薬散布などの危険を伴う労働に従事している現実があります。私たちは、子どもたちが安心して学校に通い、健やかに成長できる環境を整備しています。教育環境を整備することは、子どもたちの未来の可能性を広げるとともに、次世代のカカオ農家を育成することにもつながります。子どもたちが経済的にも情緒的にも健やかな未来を迎えられるよう、現地のニーズを調査しながら包括的な支援に取り組んでいます。

Save
children's
future

児童労働
モニタリングと是正

ガーナでは、カカオ農園での児童労働が社会課題として指摘されています。子どもたちに適切に教育の機会が与えられるよう、そして決して危険を伴う労働に従事することのないよう、ICI*¹が開発したCLMRS*²などの児童労働モニタリングシステムを導入しています。

*1 ICI:International Cocoa Initiativeの略。 *2 CLMRS:Child Labor Monitoring and Remediation Systemの略。

現地のパートナーである調査員が定期的に農家を訪問し、家族構成や生活環境、子どもたちの就学状況などを確認しています。児童労働のリスクが確認された場合、その場での指導に加え、状況を継続的にモニタリングし、各家庭の課題に応じた対策を講じています。

CLMRS実施状況表

収穫年度
2021/22 2022/23
CLMRS導入農家数 2,008 3,083
導入率 94.5% 96.7%
児童労働特定数 36 617
うち是正済数 35 617

導入率=CLMRS導入農家数/ロッテサステナブルカカオ調達先農家数

グリーバンス
(苦情処理)
メカニズム

私たちは、現地で児童労働が発見された際に通報できるグリーバンスメカニズムの構築を目指しています。通報があった場合には、現地のパートナーと協力して詳細を調査し、解決へ向けた実効性のあるアクションを実施します。

グリーバンスメカニズム状況表(ガーナ)

地区 構築状況
Ashanti New Edubiase
/Nsokote
Central Dunkwa
Twifo Praso
Western Manso Amenfi 構築中

対象収穫年度:2023/24

教育・生活支援

子どもたちが安心できる環境で、教育の機会を得ながら充実した毎日を過ごせるよう、現地のニーズを丁寧に調査し、さまざまな取り組みを実施しています。

教員住居の建設

外務省が実施する「草の根・人間の安全保障無償資金協力*」の案件である「ジュリグン基礎学校校舎建設計画」と連携して、25年秋にガーナ共和国ワッサ・アメンフィ・セントラル郡ジュリグン地区に教員の新宿舎を建設します。
ジュリグン地区におけるCLMRSの調査では、建物の老朽化により学校に通いたくても通えない子どもたちがいることが明らかになっています。現地の課題を確認し、状況に寄り添いながら、子どもたちが安心して快適に学べる環境づくりに取り組んでいきます。

関連リリース
https://www.lotte.co.jp/info/news/pdf/20250120145952.pdf

*人間の安全保障の理念を踏まえて、開発途上地域の住民生活に根ざす比較的小規模な開発事業を実施する団体に対して、資金の供与を行う政府開発援助(ODA)のひとつ。基礎生活及び人間の安全保障に係る緊急性が高い分野(例:教育、保健・医療、水・衛生、地雷除去、災害対策)において、行政サービスの届きにくい地域・人口に対して直接的かつ機動的に展開される特色を有している。

ノートの配布

カカオハスク(カカオ豆の外皮)をアップサイクルして作った「ReCacao Note」を、カカオ豆調達地域の子どもたちに届けています。ロッテ社員が現地に赴き、カカオ豆調達地域への感謝の気持ちとともに、日本の特色やチョコレート製造について伝えています。

関連リリース
https://www.lotte.co.jp/info/news/pdf/20241219112511.pdf

井戸の寄贈

生活に欠かせない清潔な水を提供するため、井戸の寄贈を行っています。ガーナでは、主に女性と子どもが水汲みを担うという文化があるため、この井戸の寄贈は児童労働リスクを低減することにもつながります。長時間の移動を伴う水汲み負担の軽減は、女性と子どもの身体的な負担の軽減はもちろん、仕事や家事、学習に使える時間の確保にもつながっています。

食を通じた支援

国連WFP(国際連合世界食糧計画WFP協会)は、飢餓をゼロにすることを使命とする国連唯一の食料支援機関です。ガーナリップルは国連WFPが実施する、子どもたちに学校給食を届けるための「レッドカップキャンペーン」に参加し、商品の売り上げの一部を寄付しています。

妊産婦と
女性の命と
健康を
守る支援

JOICFP(ジョイセフ)は、女性のいのちと健康を守るため1968年に日本で設立された国際協力NGOです。ガーナエクセレントシリーズは、商品の売り上げの一部を寄付し、JOICFPが実施するガーナの保健活動を支援しています。

ステークホルダー
との協働

国際協力機構(JICA)が2020年に設立した「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」、2000年にアメリカで設立された国際的なNPO法人「世界カカオ財団(World Cocoa Foundation)」 の活動に参画しています。さまざまな分野のステークホルダーとの議論や協働を通じて、持続可能なカカオ産業の実現に向けた実効性のあるアクションにつなげています。