「噛むこと」のメリットと聞いて、消化の促進や脳の活性化、肥満の予防など、健康面での効果を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、近年「噛む」という動作がスポーツにも良い効果をもたらすことが研究で明らかになってきました。
身体的な効果としては、咀嚼筋が働いた刺激により脳が活性化し、筋肉の活動が高まったりします。また正しい噛み合わせはバランス能力の向上につながります。
さらに精神的にも良い効果があり、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの分泌を高め、精神の安定やリラックスにつながります。噛むことで脳血流が増加し脳が活性化され、反応速度が高まるなど集中力を高める効果があるとも言われています。
みなさんも「噛むというトレーニング」を生活に取り入れ、スポーツをさらに楽しんでくださいね。
「噛むこと」で得られる4つの効果
噛むことで得られるスポーツの効果についてもっと知りたい…! そんな方はこちら
あのスポーツで役に立つ「噛むこと」
野球の場合
バッティング時には噛みしめること・咀嚼筋がを活動し、大きな力を生み出すことにつながります。また走塁のスタート時に必要な加速や守備の時においても身体のバランスを保つために、適度な力で噛みしめることは重要と思われます。咀嚼筋を鍛えることで短い距離を走るときのスピードが速くなったとの報告もあるため、普段から噛み合わせが悪くならないようにすること、咀嚼筋を鍛えることは重要です。
ゴルフの場合
スイング時に咀嚼筋などを活動させることで頭部が固定され、視線の安定化が期待できますし、大きな力を生み出すことにつながります。また、高い集中力が求められるパットのシーンなどでは噛むことで集中力を高めることも重要です。
ラグビーの場合
走る、パスする、キックする、タックルする、相手選手とコンタクトするなど球技と格闘技の要素が交じり合った種目です。噛みしめることでの全身の筋活動量の増加、平衡機能への効果など様々なシーンで噛むことが求められます。衝撃時には噛みしめることで咀嚼筋ばかりでなく首周りの筋肉の活動性が増し、関節が固定されて頭の揺れが減るため、衝撃から身を守る姿勢としての働きも考えられます。
サッカーの場合
サッカーでは様々な場面でジャンプすることが求められます。ジャンプする瞬間には咀嚼筋が活動することがわかっています。そして、噛むことで高さに効果があることも報告されています。また、ヘディング時に噛みしめることで、頭部の揺れを軽減して、安全性、正確性にも良い影響があると思われます。短い距離での俊敏な動きが必要なサッカーでは、身体バランスの向上や、シャープな加速が求められるため、噛む力や噛み合わせが関連してきます。シュートに対して瞬間的に反応しなくていけないゴールキーパーにとっては、噛むことで集中力や反応速度を高めることも重要です。
eスポーツの場合
高い集中力やすばやい反応速度が求められるため、噛むことで脳血流を高めることが非常に重要です。
また噛むことで姿勢が安定するため、目の前のゲーム画面に集中できます。